湖族の歴史が継がれてきた 堅田の町並みを見学。
琵琶湖ほとりの石畳を歩くメンバー。あたたかな朝でした。
10/25更新号で第四期を迎えた「職人がつくる木の家ネット」の総会が、11月6日-7日、滋賀県大津市内の旅館やまつねで行われました。第三期会員113名と第四期に新たに入会した11名のうち、北は岩手から、南は熊本から、総会には50名余りが集い、木の家ネット第四期の方針、それぞれの活動報告、京大防災研究所の鈴木祥之教授による限界耐力計算法の講演会など、中身の濃い一泊二日をともに過ごしました。その模様をレポートします。
中世の交易都市「堅田」の町並を見学。
琵琶湖に突き出すようにして建つ浮御堂
13時から始まる総会に先だって早めに集合した22名で、大津市堅田地区の町並みを散策。琵琶湖は北陸から京阪神へ米などの物資を運ぶ水運や漁業で栄えたが、北湖と南湖とに分かれる琵琶湖が細くくびれたところの西岸にあたる堅田の地にはかつて、湖上の水先案内・運送・造船・漁業の権利を一手に握り琵琶湖を支配した「堅田湖族」千軒が自治都市を形成し、繁栄をきわめていたという。
堅田の町並。玄関上に掲げられた額とかわいいランプに見とれる金田さん。
石畳の湖岸を歩き、茶道や俳諧を重んじたという堅田湖族の中でも有力だった居初(いそめ)家が来客をもてなすために建てた「天然図画亭」を訪れた。案内くださったのは、堅田湖族の文化が現代を現代にまで伝えてきた居初家の当主。築300年、ヨシ葺き屋根入母屋造りの茶室の座敷に座ると、庭園の向こうにそのまま琵琶湖や向こう岸の三上山が望めるすばらしい借景は、まさに「天然図画」。
居初家の天然図画亭。入り口は意外と控えめで奥ゆかしい佇まい。
茅葺きの茶室を琵琶湖側から見る。茶室に座ると、植え込みの向こうに琵琶湖の対岸まで見える。
地元のひなびた食堂でにぎやかな昼食を済ませた後は、本福寺や一休さんが修行したといわれる祥瑞寺などの町並みを見学しながら、広重の近江八景「堅田の落雁」にも描かれた浮御堂を目指した。琵琶湖に突き出たお堂は、近年の改修で基礎部分がコンクリートに改修されている他はタルキにいたるまで総欅づくり。メンバーは総会の時間が近づくのも忘れて見とれていた。