伝統的木造住宅と省エネ基準をめぐって
1/17 京都フォラムの報告と 2/16 衆議院会館での調査報告会の予告
1/17に、京都のひと・まち交流館で建築関係6団体の共同主催により「京都の夏を旨とした住まいにならい、地域型住宅の省エネルギーを探る」というフォラムが、開催されました。
伝統木造の建物が多くある京都で、伝統的な住まいや暮らしを省エネルギーの文脈の中でどう位置づけていくのか。そこに関心をもってフォラムに参加した木の家ネットのメンバーのうち、終演後に残れる人でフリートークをしました。そこで話された感想をさしはさみながら、フォラムの様子を簡単にレポートします。レポート作成にあたっては、講演者の安藤邦廣先生から、発表画像をご提供いただきました。心からお礼申し上げます。
さらに2/16には、衆議院会館で「伝統的木造住宅と省エネルギー基準〜調査データから分かる多様性と実態」という調査報告会が開かれます。
木の家ネットから、古川保さん、綾部孝司さん、山田貴宏さん、日高保さん、高橋昌巳さん、林美樹さんが実際の設計事例について発表をします。会場は衆議院会館ですが、どなたでも参加できます。この会のもりあがりが、将来の多様な住まい方の選択肢を広げることにつながります。大勢のご参加をお待ちしています。
2/16(火)の午後は、衆議院会館へ!
申込は「これ木連」のサイトからどうぞ
住宅の省エネ化には賛成だが、 その達成方法は多様であっていい
フォラムの報告に入る前に、国が「建築物省エネ法」として、2020年を目処に義務化しようとしている住宅の省エネルギー基準について簡単に説明します。その内容は「外皮性能と一次消費エネルギー消費量の双方について、一定の基準を満たすこと」となっています。
詳しくは「改正省エネ法土壁はどうなる?」特集の「改正省エネ法 予習篇」をご覧ください!
外皮性能とは「建物の外周の熱の逃げにくさ」のことです。断熱材を厚く壁に施工したり、開口部にあたる窓や外回りの建具断熱性能の高いものを使ったりすることで、外皮性能は向上します。
国は「日本の住宅も、先進国なみの省エネを」という掛け声の元、省エネ先進国として手本にしているドイツ並の高いレベルでの外皮性能を求めています。具体的には、分厚い断熱材で家をくるみ、その中で、冬の暖房時は20℃以上、夏の冷房時は28℃以下という環境を実現することを前提としています。高い外皮性能を達成するために、結果的に開口部や窓が小さな家になりがちです。
北海道や東北など、寒さの厳しいところでは、外皮性能をあげることが省エネに直結しますが、日本の温暖地では、ほかにも有効な方法があります。また、外皮性能だけで省エネを達成しようとすると、外界や自然と親しむような暮らし方、建物の耐久性など、失うものがでてくる場合もありますし、過度な断熱材施工は、費用対効果で見ると住まい手にもったいない経済的な負担を強いることにもなりかねません。
大きな開口部で外界とゆるやかにつながり、障子やガラス戸、雨戸などで外と内との緩衝空間のあり方を季節や時間に応じて調節する、日本の伝統的な開放的な家は、この北方型・閉鎖型の家を評価する基準には、適合しません。北方型・閉鎖型が単なる努力目標ではなく「義務」とされれば、日本の気候風土に合った南方型・開放型の住まいは作れなくなってしまいます。
これからの家づくりに、より低いエネルギーで暮らせるような工夫をしていくことには、木の家ネットとしても大賛成です。「外皮性能をあげること」も省エネ達成の「ひとつの方法」ですが、それ以外にも、エネルギーを抑えた住まい方の工夫があるからです。日本の伝統的な、それぞれの地域や季節に合った住まい方には、そういった工夫がたくさん見られます。
一定以上のレベルの外皮性能が「義務化」される一方で、ほかの方法での省エネの工夫が認められなくなれば、多様であるはずの暮らし方の選択肢がせばめられてしまいます。
そういったことにならないようにと願う文脈の中、京都府建築士会、日本建築家協会、日本建築学会、東京建築士会、NPO 法人 木の建築フォラムという6団体の共催で今回のフォラムは開催されました。
木の家ネットのつくり手が手がける家づくりも、まさにこの問題のテーマにあたっています。25名ものメンバーが全国からこのフォラムに参加したのも、そのためです。
地域型住宅を考える トップバッターとしての「京都」への期待
外皮性能に主軸をおいた省エネ基準にに危機感をもった多くのパブリックコメントが寄せられたこと、衆議院国土交通委員会で「省エネ基準策定については、伝統的工法に配慮すること」との付帯決議があったことなどから、国では「例外3」として「地域の気候風土に応じた形式、工法、材料、景観、住まい方の特徴を有し、外皮基準の達成を困難にする要素があるもの」(地域型住宅)については、外皮性能規定の適用を除外する方向性を示しました。そして、その地域の気候風土や文化にあった地域型住宅の基準は「特定行政庁ごとに作っていく」という道筋が、つけられようとしています。
1/17に行われたフォラムは、東京で2回行われた公開フォラム「伝統的木造住宅と省エネルギー」の第3回にあたりますが、主催者は、今回の開催地として、京都を選びました。それは、京都には伝統的な町家が多く残っており、それを今の暮らしに合わせながら「平成の京町家」としてつないでいく取り組みがあるからです。京都で「地域型住宅」のモデルができれば、全国それぞれの地域で「地域型住宅」を考えていく大きな助けとなるでしょう。
東京建築士会の中村勉会長の挨拶
まず冒頭で、中村勉会長が開催地を京都に選んだ理由、伝統木造住宅と省エネルギーの問題を取り上げる理由について、話されました。
伝統的木造住宅=長寿命の家づくり
くま 先生風伝統的なものだから守る、というのでなく、これから築いていくべき低炭素社会の価値観に通ずるものがあるという積極的なとらえ方をしていたのが印象的だったな。
いぬ ウィンク伝統木造住宅の特徴として「長寿命をめざすつくり方」を指摘して、評価していたのもよかった。なんと言っても、長寿命であることは、究極の省エネだものね。長寿命の実現には、維持管理や修繕のしやすい造り方、適切な素材選びや使い方をすることが大事。
ねこ伝統的木造住宅は、構造をおもてにあらわす「真壁づくり」が基本だけれど、それは「後から直しやすい」造り方なんだよね。
うさぎ ○住んでいる時のエネルギー消費だけでなく、家をつくる時のエネルギーも低く、土に還る素材で作るから、処分時の環境負荷も低い。製造廃棄の面でも、伝統的木造住宅は省エネと言えるわよね。
例外3:地域型住宅という「別の道」
いぬ ふえーん「地域型住宅」という、外皮性能の適用除外となる道ができそう、という話を聞いて、ちょっとほっとしたな。基準が義務化となれば、生き延びる道はこれかな。
くま オッケー伝統木造以外にも、基準で求められる外皮性能は満たさなくても、その地の気候風土に合った良好な温熱環境が実現できてエネルギー消費が少なく暮らせる家がある。そういった家を総じて「地域型住宅」として位置づける。伝統木造もそのひとつの例だ、ということだよね。
うさぎ 幸せ厳しい基準の外皮性能を守るには、どうしたって窓が小さくなっていく傾向があるじゃない? あとから発表をした高知の細木さんもそうだったけれど、そうでない家を造りたい!という設計者はたくさんいるわよね。
いぬ うーん地域に合った工夫は考えなくても一律にエネルギー消費量を抑えることができるのが、国が示す基準なのかもしれないけれど、本来、外皮性能も含めて、その場所に応じたさまざまな工夫をするのが建築設計の仕事じゃない?工夫する方が「例外」として扱われちゃうのって、なんだか悔しいような、さびしいような・・・。
くま もの申すよく考えると、これは建築の自由度とか、住まい手が暮らしを選ぶ自由ということにまで関わる、大きな問題。だからこそ、このフォラムにも建築設計に携わる多くの団体が共催したんだね。
外皮性能以外の環境的価値の評価を
ねこ省エネという大目標だけは守りましょう、その方法はそれぞれで工夫してね、というようであってほしい。「森を守る」「職人の育成」「廃棄物が少ない」など、基準にはないけれど省エネにつながる環境的な価値がいろいろある。そういったメリットで外皮性能が足りない分を補う「オフセット法」も紹介されていたね。
うさぎ 幸せ省エネを外皮性能以外でも多面的に評価しようというのは、いいことよね!計算で求められる外皮性能とはちがって数値で表しにくいかもしれないけれど、こういった評価は、あっていいと思うな。ほかにも、一次消費エネルギーをこれだけに抑えると設計時に約束しておいて、実際の使用一次消費エネルギー量で評価をする「キャップ法」の話も出てたね。
ねこ えがお省エネという目標を達成するやり方は多様で、外皮性能以外にいろいろある。数値では表しにくいような環境性能も包含でいる制度設計を考えてほしいな。
安藤邦廣先生の基調講演 温暖地型 開放系 外皮設計モデル
次の安藤先生の基調講演は、東アジアの集落や民家の多様な居住様式の中に、省エネルギーの知恵を探るという興味深いお話でした。
地図で分かる日本の位置づけ
うさぎ ○最初に、日本とヨーロッパの地図を重ね合わせて見せてくださったのが、面白かったわ。日本の省エネ基準がお手本にしているドイツは北海道より北にあるんですね。私のいる倉敷は、北アフリカぐらい。これでは「北方型・閉鎖型」のドイツの基準ではなじまないわけよね!
閉鎖型の「冬の家」と 開放型の「夏の家」を住み分ける知恵
安藤先生は、日本の北方に位置する樺太、満州、朝鮮から、だんだん南下しながら、実例を話してくださいました。
まず、日本よりも寒い樺太のスメンクル族の例。土を掘り下げた竪穴を掘り下げ、穴の周囲にぐるりと石を積んだ煙道をもうけ、煮炊きする排熱をその煙道に通すことで石をあたためた輻射熱で暖をとる「冬の家」と、凍土が融ける短い夏の間に住む丸太小屋やテントの「夏の家」とを使い分けて生活します。
冬は、オンドルで部分暖房 夏は、風通しよく暮らす
引き続き紹介されたのは、満州地方の漢族のカン(杭)や朝鮮族のオンドル(温突)のある民家家の例。丸太づくりに土を塗り、密閉した家で、土間から一段あがった居室の土塗りの床の下に、煮炊き用のかまどの排熱をまわして床暖房をします。短い夏の間だけは、調理は外かまどでしています。日本より夏が短く、湿気が少ない気候風土では有効な方法です。
満州ほどではないものの、日本より寒さが厳しい韓国では、「マル」と呼ばれる開放的で風通しのいい部屋や「テマル」という縁側を夏の居場所として、窓の小さい密閉した部屋に床暖房をしこんだ「オンドル房」を冬の居場所として、季節によって使い分けているそうです。
くま夏は開放的に広々と、風通しよく暮らす。冬は小さなスペースで部分暖房をして、あたたかく。冬はある程度寒くなる温暖地での、断熱材のなかった昔からの知恵だね。ぼくらが普段実践している家づくりに通じるものがあるね。
うさぎ 困った「外皮性能」っていうのは、建物全体をくるんでの数値で言うわけだから、こういった住まい方は「外皮性能は低い」ということになるんでしょうね。
くま オッケー「外皮性能は低い」けれど、限られたスペースで効率よく暖をとることで「エネルギー消費量も低い」。そういうのも、ありだよね。
うさぎ 幸せ前日に「表屋づくり」という立派な京町家に住んでおられる秦家住宅を見学させてもらいましたが、そこでも、障子をたてて仕切った限られたスペースだけを部分暖房してましたね。それで十分だとおっしゃっていました。
ねこ えがお秦さんが「うちに来られるマンション育ちの若い学生さんでも、あたたかい部屋からひんやりする廊下に出るのが気持ちいいと感じるようになる子もいます」と話していたのも印象的でした。
北から南まで 日本の多様な民家のあり方
日本でも、北の方の例から。アイヌのチセは笹葺きの分厚い壁に囲まれた閉鎖型の家の土間で囲炉裏を焚き、蓄熱させます。本州でも東北の民家では、座敷は高床にしていても、土間に切った囲炉裏のまわりに分厚い藁のムシロを敷いて居間にしていたそうです。
そして、おなじみの、本州の温暖地の高床の家。雨戸とガラス戸と障子とが入った縁側。夏は深い軒で日射を遮蔽しますが、冬は昼間のガラス越しの低い陽射しを入れて部屋を温め、夜は雨戸と障子をたてて、保温します。
うさぎ 幸せ冬の縁側って、あったかいよね! 真冬でも、昼間は暖房なしで居られるくらい。
ねこ どして?余談だけれど、LowEガラスっていう断熱性能の高いガラスを入れると、このせっかくの陽射しの熱がカットされちゃう。明るいのにぽかぽかしないんだって。もったいない・・・。
くま もの申すこういう縁側の開け閉めの工夫って、外皮性能にはカウントされないんだよね。居る部屋だけにコタツを置いて過ごすというのも、一次消費エネルギーの計算にはのらない。
うさぎ ○数値にはあらわしにくいけれど、エネルギーを低く抑えて暮らす知恵が「地域型住宅」の要素として拾い上げられていくといいよね。
より南方の九州では、縁側のある開放的な座敷棟と、かまどと囲炉裏を備えて壁で囲われた閉鎖的なナカエ(釜屋)棟とを分棟します。沖縄では、壁は四隅にしかない開放的な家で、通風をはかります。
ねこさすが、日本は南北に長いだけあって、地域によって気候に対する構えも多様ですね。
くま 先生風冬は必要最小限のスペースを密閉して最小限のエネルギーであたため、夏は広く開放して風を通して、涼を取る。開口部は大きいし、建物をまるごと断熱材で覆うのではないから、外皮性能としては低いけれど、使うエネルギーを低く抑えられる。それが、東アジア地域の伝統的な温熱環境調整の知恵なんだね。
いぬ ウィンク そういう考え方は、今でも実効性があるんじゃない? 少なくとも、そういう生活も「省エネ」と評価されるような、幅がないとね。
くま もの申す基準が努力目標でなく、義務化となるならば、なおのことね。義務というのは、そこからはずれるものを選択できなくなるというぐらいの重さがあるんだから、多様なあり方を包含できる基準であってほしいな。
腐朽や虫害のリスクに対する構え 耐久性やメンテナンスを重視した真壁づくり
講演の最後に、台風や梅雨のある東アジア地域において閉鎖型の住宅をつくることは、湿気の滞留による腐朽や蟻害のリスクの発現度合いを増すことにもなるという例があげられました。「断熱して暖冷房費を下げることができても、建物の寿命を縮めるような結果を招くのでは、省エネとは言えないので、施工方法や維持管理ができる仕組みの確保には注意を要します。日本の伝統構法が構造材をあらわしにする「真壁」を基本とするのは、構造の劣化を防ぎ、点検保守ができるようにするためなのです」という言葉で、先生の講演は締めくくられました。地理的な条件に合った形で発達を遂げてきた民家の知恵から多くを学ぶことができ、興味深い講演でした。
いぬ うーんこの間、茶色いシミが出てくるようになったから見てくれ、って言われて、はがしてみたら、断熱材にくるまれた柱が腐ってしまっていたなんていう例があったよ。はがしてみないと分からないというのは、怖いよね。
うさぎ たらーある、ある!こういうの。劣化のおそろしさって、リフォームの仕事で、実感するわ。
くま もの申す 去年、近くで大水があったけれど、水がついてぶよぶよになった断熱材は悲惨だった。地震で変形すれば、隙間ができて、そこから水が侵入することも十分あり得る。施工した時の状態が保たれるという保証はない。僕が構造体の中に断熱材を入れない「真壁づくり」にこだわるのは、そのためです。
うさぎ ○メンテナンスフリーではなく、メンテナンスできるしくみであることが大事ということね。
ねこ大工としては、断熱材の劣化は本体の軸組構造より早いという前提で考えるよね。確保したい温熱環境によっては断熱材を入れることもあるだろうけれど、そこを慎重にもなるのは、長寿命の家づくりを実現するにあたってのリスクも考えなければならないと思うからなんだよね。
くま 先生風構造もだけれど、日頃から「気にしておく」事も大事。ぼくは、台風なんかがあった後は、自分が施工した家がどうなっているか、見に行っている。すぐに行くと、雨じみが残っていたりしていて状態が把握できるから、早めに対処できる。
うさぎ ○メンテナンスフリーではなく、メンテナンスできるしくみであることが大事ということね。
いぬ うーんこれまで漠然と「省エネ達成のために、断熱材は厚めに入れた方がいいのかな」と思っていたけれど、断熱材を必要以上に使うのはリスクもあるんだよね。特に構造と断熱材の関係が見えにくい、点検しづらい形で施工をすることは、したくないな。
ねこ国が示した外皮性能を除外とするガイドラインでは「両面真壁」と書いているけれど、真壁づくりの外面に、雨や日射から保護するために板張りにするケースは、大壁のように見えても、意味合いとしては、この両面真壁と同じ。安藤先生がそこを指摘してくれたのは、よかったな。柱と柱の間にはびっちりと土が詰まっているのは「構造として真壁」と、とらえられるということなんだね。先生が示してくれた図を、実際にぼくらが施工する3タイプの図面に起こしてみたので、参考にしてみてください!
ねこ えがお真壁の外壁を保護するための板張りをする時に、土壁と板張りとの間に断熱材を入れる場合もある。けれど外壁や構造を面的に覆ってしまう施工方法と比べれば、下見板は部分的にはがせるから、点検もしやすいよ。
うさぎ たらーうーん、私も土壁と外側に張る板壁の間にウールとかフォレストボードなど、自然素材系の断熱材入れることあるんだけれど、外皮性能を計算すると、とても基準には及ばないんだなあ。基準が求めている厚みは、かなりなものになるのよね。そこまで要るのかなあ、って思ってしまうぐらい。
くま もの申す土壁との間の空間に断熱性能をあげるために断熱材を入れるか、あるいは通気層としてだけ使うい、断熱材は入れないか。入れるとしたらどんなものをどの程度の厚みで入れるか。そこは、耐久性と温熱性とのバランスを十分に考えて、ひとつひとつの現場でつくり手と建て主とで話し合って判断する自由度があってほしいな。
まとめ:温暖地開放系 外皮設計モデル
○ 大きな屋根と深い軒:
屋根断熱。夏は軒庇で外壁と開口部の日射遮蔽。日照角度の深い冬は、陽射しの取り込み
○ 高床:
床下通気で耐久性を高める
○ 部分暖冷房:
外皮全体ではなく、住宅内の一部を囲い、部分的に暖冷房する
○ 縁側:
夏は広い開口部による通風。冬は外側のガラス戸と内側の障子との間に空気層をもうける