最初の数年は、インターネットに接続できない会員のために、コンテンツを記録したCD-ROMを一年毎に送付していた。これはそのラベル。
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10周年企画:木の家ネット誕生物語


宣言文を中心に据えたコンテンツづくり

一方、サイト立ち上げのためのコンテンツづくりも進められました。発起人会の会合だけでは間に合わず、私たちが宮越さんや松井さんの事務所に通ってコンテンツとなる内容を取材し、執筆し、打ち合せを重ねて修正し・・・という作業が繰り返されました。

建築の素人であるモチドメデザイン事務所にとって分かりにくかったのは、「在来工法というのは、日本にもともとある伝統的な家づくりとは違う」という点です。「在来工法は伝統的な構法を簡便化したもの。在来とわざわざ言うのは、ツーバイフォー工法やパネル工法など、外来のものと区別するため」という説明を聞いて、びっくりするやら、頭をかかえるやら。

私たちにとって分かりにくいのだから、一般の読者には、さらに分からないはず。そこを理解してもらえるようにするのが、このサイトの肝になると直感しました。

宮越さんが「木造建築事典」のために書き下ろしたこの一対の絵が、理解の役に立ちました。「そうか、こう違うのか!」と納得しかけたかと思えば、今度は「伝統的な構法と在来工法は白と黒、片方が優れていて、もう片方が劣っている、というようにスパっと切り分けられるものではなく、グラデーションのようにつながっているもの。つくり手によって、あるいは同じつくり手であっても、時と場合によって、その採用のしかたはさまざま」とか、逆に「この白黒の混ぜ方によっては、とてつもなくおかしなことになる場合もある」とも…。どれも道理であり、真実なのですが、このあたりは、今でも苦労するところです。

では、住まい手に向けて、国産材と職人の手による木の家づくりのことを伝えるにはどうしたらいいのだろうか? なるべく平易な文章で、その魅力を伝えたい!ということで、何回も打ち合せを重ね、次のような短い文章を「宣言文」としてトップページに掲げることにしました。

それぞれの単語の切れ目から、それをより詳しく説明するページへとリンクするというしくみで「定番ページ」ができました。サイトオープンから10年経った今でも、この宣言文はそのまま。「木の家づくりのよさについて伝えたい9か条」として、メニューに残っています。 まだご覧になっていない方は、ぜひいちど、「木の家ネットの初心」ともいえる9か条を、読んでみてください。

木の家ネット誕生物語の後半は、2014年の夏頃に公開の予定です。しばらく間が空きますが、お楽しみに。


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木の家ネット宣言文の9か条(最後の1条は文字数の関係で2行にわたっています)。クリックすると最初の条文のページに移動します。