![Q&A 暑さ寒さ篇](/qa/q_0207.gif)
Q&A 暑さ寒さ篇
家は、365日、私たちの生活を守ってくれるシェルターです。 高温多湿な夏と寒い冬とがある日本に暮らすにあたって、 季節とどうつきあっていくかは大事な問題。 「夏暑すぎず、冬寒すぎない家に住みたい」 誰しもそう思うものです。 住宅の温熱系に着目したいろいろなシステムができていて メーカーでは「一年中同じ気温室温で、いつも快適に」を 売りにしているところも多いようですが、 伝統的な構法による木組みの家では 「自然な温熱環境」を大切にします。 寒さ・暑さをしのげる家であることを前提に、 季節に合った住まい方をする。 それが、木の家づくりのスタンスです。
![Q1.高気密・高断熱が注目されていますが、木組みの家は高気密・高断熱ですか?](/qa/q_0207_t1.jpg)
Q1.高気密・高断熱が注目されていますが、木組みの家は高気密・高断熱ですか?
木の家ネットのつくり手がつくる家では 暑さ、寒さをしのげる家を考えるにあたって、 断熱性を高めることによって性能を上げる、 というのがおよそ共通の基本姿勢です。 気密性ということでいえば、日本の昔の木の家の 一つの悪いイメージとして定着している 「すきま風で、冬、寒い」という点は、 たしかに解決が必要です。 しかひすきま風はシャットアウトしながらも、 高温多湿な夏がある日本では、 通気性の確保も重要なことです。 外気が流通できるような 風通しのよいプラン、 壁に結露させないために 真壁にすること、 住まい手の健康のためにも 適度に空気を入れ換えることなどが大事です。
![Q2. 木の家だと夏、暑かったり、冬、寒かったりしませんか?](/qa/q_0207_t2.jpg)
Q2. 木の家だと夏、暑かったり、冬、寒かったりしませんか?
まず、素材が木や土といった 呼吸する自然な材料であることが、 季節をしのぐ助けをしてくれます。 まず、無垢の(塗装をしていない)木や土壁は呼吸するため、 温度や湿度を適度に保つという すばらしいはたらきをもっています。 4寸角の無垢の柱一本でビール瓶1本分の水分を 吸ったり吐いたりするはたらきをもつといいます。 外気が湿っていれば吸収してくれ、 乾燥していれば水分を放出してくれます。 そのため、じめじめした梅雨から夏にも結露が起きにくく、 そして冬は冬で、空気がカラカラになることがないのです。 また、無垢の床板は、冬でも素足に冷たくないもの。 サーモグラフで板の表面を測ってみれば 塗装したフローリングの床と大した差はないのですが、 実際に歩いてみると、体感温度が全くちがうのにおどろきます。 特に針葉樹の木肌は たくさんの細胞の穴があいた「ポーラス空隙」という、 多孔質の状態になっているため、人間の足の温度を反射してくれ、 それで、とてもあたたかいのです。 冬の日射しが無垢の床板にあたるようにするとなおいいですね。 これは冷たい空気の遮断・断熱ではなく、蓄熱の効果です。 ある程度の厚板でないとこうしたはたらきは発揮されません。 例えば、室内真壁、外大壁、壁内に断熱用の空気層をつくった家で、 屋内外の温度を測定してみたところ、 冬の外気温が-10度の時でも 室内は10度前後で快適でした。