総会は年に一回、木の家ネットのつくり手たちが情報交換しあう貴重な場。
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木の家ネット第五期総会・東京大会報告


昭和の東京の雰囲気たっぷり、 晩秋の庭園美術館で。

瀟酒な朝香宮邸。美術館として公開されている。

2005年11月26-27日、秋深まる東京都庭園美術館に全国から総勢50名余の会員が集まった「職人がつくる木の家ネット」第五期総会のレポートをお届けします。

庭園美術館を散策

総会の会場となった庭園美術館新館大ホールのステージ。プロジェクターでスクリーンに発表内容を映し出す。

数日前からの冷え込みが嘘のように、素晴らしい秋晴れとポカポカ陽気の26日お昼前。午後1時半の開会に先立って、参加会員の多くが美術館の正門前に集まりはじめた。前回滋賀での総会以来の顔ぶれも多く、それぞれに庭園のカフェで食事をとったり、紅葉がピークを迎えた美しい庭園を散策するなど、東京の休日を楽しんでいた。

東京大会実行委員副委員長でプロジェクションも担当した吉田さんと、それをフォローするスタッフたち。

昭和8年に建てられた朝香宮(あさかのみや)邸が、戦後迎賓館などとして使われた時期を経て、昭和58年、美術館として新しく生まれ変わったのが東京都庭園美術館だ。アール・デコ様式に日本の感性を加えた「折衷様式」の建物が歴史を物語り、作品と観賞空間との間に交感が生まれる美術鑑賞の在り方を見せている。自然と建物と美術作品とをあわせて楽しめる贅沢な環境は、東京でもほかに類を見ない。全国から集まった会員も、都会の喧騒を忘れさせる、このオアシス的な空間を十分に満喫したようだ。

好評だったパネル展示

東京大会実行委員長である林材ジャーナリストの赤堀楠雄さん。今大会最初の発表者。

午後1時より大ホール入口にて正式な受付が始まった。ホール正面では、今回初の試みとして、全国の会員から寄せられた数十枚のプロジェクト報告パネルを展示。総会が始まるまでの間、展示内容にそれぞれの仕事を確認しながら、活発に意見交換が行われた。次回以降の定番化も期待される。

第一部:会員報告

秋田からかけつけた、職人がつくる木の家ネット代表であるモクネット事業協同組合の加藤長光さん

木の家ネット代表、東京大会実行委員長の挨拶に引き続いて行われた会員報告のトップバッターは林材ジャーナリストの赤堀楠雄さん。手入れの行き届いた山と放置されている山の違いや、風害、鹿による被害など、具体的な事例から深刻な状況が続いていることを意識付けられた。その一方で、「Iターン林業」で山に入る若者が増えていたりと、都会側から林業の可能性に賭ける動きも見られる。プロ野球マスターズリーグの国産材応援プロジェクトや、森林を人の健康と科学的に関連付けた「森林セラピー」など、日本の山の復興に向けたさまざまな動きも紹介された


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会員から寄せられた活動報告パネルは何十枚にもなった。どのパネルからも、木の家づくりへの意思が伝わってきた。