日本は森林面積が国土の70%近くもあるのに、戦後は海外からの木材輸入が増加し、今では木材自給率がわずか20%前後というおかしな国になってしまいました。木がないのではないのです。むしろ、戦後復興の乱伐の後の拡大造林で植えられた人工林は、まさにこれから伐期を迎えようとしてるのに、山は見捨てられ、どんどん荒れています。
たとえば、伐採後、植林せずに放っておかれるままの山、間伐が適切に行われていないため地面に日光が入らず、下草が生えない山が増えています。このような山で雨が降ると土がどんどん流出してしまい、立ち枯れや山崩れが心配されます。また、材の値段があまりに安く、伐り出すほど赤字が膨らんで経営意欲を失った山林所有者や、普段地元にいない不在所有者が、代々守ってきた山を廃棄物処分場建設などに売ってしまうケースも出てきています。
解決しなければならない問題は山積みですが、まずは住む人・つくる人が積極的に国産材を求め、健全な需給のバランスを回復していくことで、解決の糸口は見えてくるはずです。国産材で家を建てることは、日本の山を守り、生活環境の安定や改善にもつながるのです。
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秋田の人工杉。拡大造林で植林された杉や檜は、蓄積量が豊富で、10年以内に伐期を迎える。 |
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下落する立木価格と対照的に伐採経費は上昇しており、長年育ててきた木を伐ることで赤字になってしまう。山を放置せざるをえない情況がある。 |
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