職人がつくる木の家ネットとは

住まい手のみなさんへ

  1. 国産材を使い、日本の伝統の家づくりを活かした木の家づくりをするつくり手の集まりです。
    国産材、近くの山の木を使います。
    大工さんが一棟一棟、つくります。
    木と木を組んでいくことで構造体をつくります。
    木以外にも、環境に配慮した素材を使うことを心がけています。
  2. つくり手会員は全国に136名(平成21年9月現在)。大工、工務店、設計者をはじめ、木材産地、左官、建具職人などさまざまな職種の人がいます。
    地域別のつくり手リストをご覧ください
  3. 住まい手の方との「顔の見える関係」を大事にしています。
  4. このサイトで「職人がつくる木の家づくり」に関する情報を毎月発信しています。
  5. 木の家づくりをとりまく最新の状況も随時伝えていきます。

職人がつくる木の家ネットとは

つくり手の方へ

  1. 全国のつくり手同士のつながり、ともに活動する場でもあります。
  2. 木の家づくりがしやすい世の中にするための運動もしています。
  3. 木の家ネットに加わるには?
    基本は発起人の推薦ですが、厳密な審査による応募も受けつけています。
    詳しくはこちらをご覧ください。

主旨文 (2001.10 発足当時、発起人発の呼びかけ文)

誰が何のために?

 このたび、国産材を使って、職人が伝えてきた手の技を大切にしながら家づくりをすることに関わる、国産材産地・職人・工務店・設計士が集まって「職人がつくる木の家ネット」というWebサイトをたちあげることとなりました。
 これは、日本全国の地域性にねざした「木の家」を次の世代に生きた形で継承していくこと、そして年々「木の家」が作りにくくなっている現在の情況を打開していくことを目的とした運動の端緒として、たちあげるものです。

今の情況をどう見ているか

もともと、家づくりは「地場」産業でした。地元の山の木で、地域に伝わる知恵をもつ棟梁が、木の家を建てる。少し前まではあたりまえだったのですが、それが今では、難しくなっています。
 工業製品のような均質性を持ちにくい木造住宅に対する法律的な規制が年々厳しくなっていますし、大学教育では木造の技術をほとんど教えません。家づくりの現場には安価で使いやすい新建材が入り込み、下地に木を使うとしても、その木がどこから来るのか、気にもしません。職人の技能面でも、効率優先で技術を発揮させる必要のない仕事が多く、たまに大工が木を一本一本見て、昔からの知恵を活かして土壁や木組みで建てる機会があっても、そこに法律の壁が厚くたちふさがります。
 時代がこのように流れてしまった背景には、高度経済成長期に早く安く住宅を大量生産する必要があって構法の簡略化がはかられたこと、木材輸入の自由化、住宅メーカーや建材メーカーの台頭など、さまざまな要因があるでしょう。
 しかし、国産材で昔ながらの職人の知恵を活かして普通の人が住むあたりまえの家づくりをする、ということに関わる私たちがまとまって声をあげてこなかった、ということにも責任があります。

誰に対して、どんなはたらきかけをするのか

「木の家ネット」では、このような現状に対してどう思っているのか、本来の木の家づくりを実践していこうとしている国産材産地・職人・工務店・設計士が集まって、共同のメッセージを打ち出していきます。

住まい手に対して:

日本の風土から生まれたすばらしい木の家づくりがあること、そして、その作り手が身近なところにいる、ということを伝えていきましょう。厳しい現状の一方で、環境意識の高まりや、手仕事の復権、シンプルですぐれたものへの志向は、少しずつではありますが、確実に進んでいます。思いを共有する人と出会うことが佳い家づくりの基本です。この運動をそのような出会いの場にしたいと思います。

行政に対して:

地域にそれぞれに伝わる経験的な知恵に裏付けられた木の家づくりは、全国一様ではありません。それに対し、均一な網をかけて共通の基準をつくってなめしてしまう法律にも問題があります。すぐれた木の家づくりがしにくくなっていくという矛盾に対して、今後、作り手側から力を合わせて声をあげていきましょう。

木の家づくりに携わる仲間たちに対して:

「木の家づくり」を実践して人たちの間での情報共有、交換等の場をつくっていきましょう。また、潜在的に、あるいは個々人として、「木の家づくり」に関わっていきたいという若い大工や、設計士たちもまだまだ多くいるはずです。次の世代に木の文化を、生きた形で伝えていく広がりのある場をつくれるのではないでしょうか。

会員規約

会の目指すもの(理念・目的)

日本の山で育った木を使い、それぞれの地域に受け継がれた技術によって職人たちがつくってきた「木の家」の良さを、家づくりの実践を通して普及し、若い世代に受け継いでいく。

会の活動

  • Webサイトで「木の家」および「木の家のつくり手」の情報提供をする。
  • 非公開の会員専用Webサイト、掲示板、メーリングリストなどで、会員相互の情報交換と情報の共有を行う。
  • 会員が顔を合わせて交流する機会(総会、勉強会など)を会員相互の協力により設ける。
  • ゆるやかで顔の見える関係を大事にした活動とする。

会の運営

  • 会の運営は運営委員会によって決定される。
  • 事務局と会計を設ける。
  • 会の運営資金は、会員の入会金、年会費、寄付金などによる。

総会

  • 各期に1回、会の運営や活動に関する確認、会員の親睦、情報交換等を目的とした総会を開催する。
  • 運営委員会は総会を主催する。

会員ができること

  • 会員は、木の家づくりを広めるために、公開サイトの情報を活用することができる。
  • 会員は、つくり手リスト、自己紹介シート、つくり手ブログ、ニュース欄などを活用して、公開サイトで自ら情報発信することができる。
  • 会員は、会員専用サイト、掲示板などを通して、会員間の情報交換をすることができる。
  • 会員は、運営委員会の承認を得てプロジェクトチームをつくり、活動することができる。木の家ネットはその活動を支援する。
  • 会員は、木の家ネットで行うイベントに参加することができる。

参加資格

会員

会員は、本来の木の家づくりを実践し、会の目的・理念に賛同する国産材産地、職人、工務店、建築士などの個人とし、下記の条件による。

  1. 「顔の見える関係」の範囲内であること。また、年会費を納めることを要する。
  2. 地域でがんばっている人、これからがんばろうとしている若い人、 そんな人を応援しようとしている人であることが入会の条件となる。
  3. 山のためになる、職人のためになる、建て主のためになる、環境のためになる仕事をしているか。誰をも泣かせることのない、互いの信頼にもとづいた、調和のとれた共存共栄関係をめざしていることが必須。

入会のルート

  1. 運営委員の責任によって推薦され、運営委員会で承認された個人。
     (会員は、新会員となる候補者を運営委員会に推薦することができる)
  2. 図面、施工写真等をもとに、運営委員会の審査によって入会の認められた個人。

会員資格の停止

会員の活動等が会の理念・目的に反した場合、あるいは運営上等に支障があると運営委員会が判断しなければならない状況が生じた場合には、運営委員会はその会員と協議の上、会員資格を停止することができる。
その際に会費等の返還は行わない。

参加費

参加費:入会金1万円、年会費:一口6000円(最低2口)

運営委員

加藤長光モクネット事業協同組合(秋田)
代表
渡辺隆風基建設(東京)
赤堀楠雄林材ジャーナリスト(東京・長野)
衣袋和子衣袋設計室(東京)
会計
宮越喜彦木住研(埼玉)
持留ヨハナモチドメデザイン事務所(東京)
事務局・Webサイト制作
寺川千佳子恒河舎(静岡)
大江忍ナチュラルパートナーズ(愛知)
中村武司工作舎(愛知)
丹羽明人丹羽明人アトリエ(愛知)
岩波正三和総合設計 (滋賀)
和田善行親和木材(徳島)
副代表
古川保古川設計室(熊本)

事務局住所

〒408-0001
山梨県北杜市高根町長沢2233 持留デザイン事務所 内
「職人がつくる木の家ネット」事務局
e-mail:jimukyoku@kino-ie.net
Fax:0551-46-2355