縦に長い日本列島、気候もさまざまですが、高温多湿な夏があり、梅雨や台風に見舞われることを考えにいれなければならないという点は、ほぼ共通しており、家自体に調温調湿機能が要求されます。木は、塗装でコーティングせず無垢のまま使えば、梅雨どきには湿気を吸い、冬はあたたかさを保つ「呼吸する材料」として働いてくれます。木の家こそが、日本の風土に合った建物なのです。
うだる夏、古い民家に足を踏み入れると、ちょっとひんやりするような心地よさを覚えるものです。「住まいは夏を旨とすべし」と徒然草にある通り、日本の伝統的な民家には蒸し暑い夏をしのぐ工夫が多くこらしてきました。室内に壁をつくらず襖や障子で仕切るだけにして風が抜けるようにしたり、床を高くして湿気がこもらないようにしたり、屋根を分厚くして強い日差しによる熱気を防いだり、雨の時に部屋が濡れてしまわないように深い軒をはりだしたり。どこにでもあったような民家に、季節と折り合って生きてきた人の知恵がたくさんつまっているのです。
古河の古い家。風が抜ける間取り
現代の民家。中庭に向いた大きな開口部から、風が流れる
立派な梁が、これから100年もつぞー、と頑張っている。
50年、100年前に建った民家でも、人が住み続けていれば、十分に保つことはできます。寒かったり暗かったりする点などに手をかけ、直しながら住んでいる人もいます。私たちがつくる現代の木組みの家も、民家の流れを継ぐものです。今なお残る民家が昔生まれの「おじいちゃん」だとすれば、私たちがつくるのは、伝えられてきた知恵や美を活かした、「生まれたての」民家。数十年後に「古くなった」と壊されてしまうような家ではなく、「いい味が出てきたな」と、直しつつ住み続けられる家をつくります。
昔の民家はその土地に根ざしたつくりをしていて、集落や町並み全体がひとつの調子をもち、風景にしっくりととけこんでいました。すべてがその土地の木や土などの自然素材でできていたことも、ひとつの要因でしょう。今では一軒一軒がバラバラで、風景としての統一感はなくなってきています。違法でさえなければ、どんな家を建てようと自由なのでしょうか。個性は、風土との調和や長い時の流れを意識した中にあってこそはじめて、美しい町並み・家並みの構成要素になり得ます。そんなことも家づくりの大事な要素です。
雪にけむる高遠の民家
妻籠の町家のただずまい
topページへ
このサイトについて
地域別
北海道・東北
|
関東(東京以外)
|
東京
東海
|
甲信越・北陸
|
関西
中国・四国・九州
職人がつくる
|
日本の
|
木の家
人に健康、環境にやさしく
いざという時に心強く
|
末長く
愛着をもって住める家
そんな家を求めるあなたと
つくる私たちの縁結びのサイトです
現場レポート
インタビュー
赤堀楠尾の林材レポート
伝統構法の復権
木の家そもそも話
木の家Q&A
木の家ネット 総会と活動
(c) 「職人がつくる木の家ネット」プロジェクト web:
http://kino-ie.net