木の家ネット事務局 八ヶ岳便り

2017年10月1日

手入れしながら、長く使う木の名刺入れ

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10月に行われた倉敷総会を仕切っていた、有限会社バジャンの和田洋子さんから、あることを達成できたことのお祝いに、嬉しい贈り物をいただきました。木の名刺入れ!です。

木の芯棒がヒンジになっていて、くるっとあいて、締まる時は、蓋と本体の間に埋め込まれた磁石でスーっとすいついて、ピタっと気持ちよくおさまります。しかも、私の名前まで刻印してあります!オーダーしてくださったんですね。まさに、一生使えるものをいただき、嬉しかったです。

けれど、それ以上に感心したことがあります。この木の名刺入れ、黒いケント紙の箱に入っていたのですが、、丸い、銀色のケースがその箱におさまっているのです。名刺入れといっしょに入っているんだから・・ああ、朱肉入れかな!と思ったのですが・・中身はなんと「ビーズワックス」、蜜蝋のクリーム。「お手入れに使ってください」とのこと。

長く使える物を贈る、その時に、それを長く、大切に使うために必要なメンテナンスをするものを共に贈る。ものすごくいいことだな〜と感動しました。

木の性質を知り抜き、その良さを最大限に発揮する「職人がつくる木の家」は、その構造材が山に育った年数以上に長持ちします。しかしこの「長持ち」には、日々のメンテナンス、状態を見ながら、あるいはライフスタイルの変化に応じて何十年かにいっぺん改修するといった「人の手が入ること」を前提とする長持ちです。その「人」とは、住まい手であり、その家を作った工務店さんだったり。人の人生よりも長持ちする家であれば「先代の親方が作った家を修繕する」とういうことだって、あたりまえにあります。

「メンテナンスフリー」でいつまでも使えます、という物よりも、このように大切に使ってもらえれば、さらに味わいや深みを増します、という物の方が信用できる・・と思えませんか?

大事に使い続け、それを次の代に譲る。愛着をもてるものであってこそ、です。贈られて間もなく一年。あっちこっちで初対面の人に会うごとに活躍してくれています。「いい名刺入れですね」と誉めていただくこともしばしば。

倉敷総会での和田洋子さん

さて。おっちょこちょいの私。あとは、どこかで失くしてしまったりしないよう、気をつけないと!自分の名刺を、一枚は両面テープで貼付けておいてあります。万が一、私の不行き届きで迷子になっても、帰ってくるように!!

■ Hacoa。越前漆器の産地・福井県鯖江市河和田にある会社です。
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■ 木地師の親方と若いデザイナーが一緒にやっていて、楽しそう。
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