土壁アンケート回収済の 29例集計


建築基準法の改正等に対して実務者の意見を伝えていこうという動きの中で、伝統構法の大きな要素である土塗り壁に対して、地域性の視点が不足していること、また告示1100号にあってもその改善点が指摘できることなどが見えてきました。そこで、土塗り壁の再評価に向けて実務者からの提案を行なうにあたって、その実態調査のアンケートを行ないました。

1.概要

1-1) お答えいただく土壁は次のどれですか?
普段、施工している土壁 25
古い民家の解体や保存現場で見た昔の土壁 4

1-3) 場所
埼玉県 3
東京都 2
福井県 1
岐阜県 1
静岡県 1
愛知県 3
三重県 4
滋賀県 2
大阪府 1
奈良県 1
岡山県 2
山口県 1
福岡県 1
佐賀県 1
長崎県 1
熊本県 2
宮崎県 1

1-4) 施工時期
普段施工している 22
その他 4

1-5) 半間の寸法
910ミリ 21
940ミリ 1
955ミリ 4
985ミリ 6 

1-6) 貫の寸法
30ミリ×105ミリ 1
30ミリ×120ミリ 3
27ミリ×105ミリ 3
27ミリ×120ミリ 6
27ミリ×145ミリ 1
24ミリ×120ミリ 2
22ミリ×91ミリ  1
22ミリ×120ミリ 1
21ミリ×105ミリ 2
18ミリ×100ミリ 1
18ミリ×105ミリ 2
18ミリ×120ミリ 1
15ミリ×150ミリ 1
15ミリ×105ミリ 2
15ミリ×75ミリ  1
京都はやや瀟酒、田園、農村型
いなか

1-7) 小舞の種類
竹小舞 27
木小舞 0

2.竹小舞

2-1) 間渡し竹 
柱に穴がを彫ってあって、そこに竹をとがらして、さす。
告示問題点 釘??
横にかかってるのが
丸竹 13
割竹 18
篠竹 1

2-2) 間渡しの位置
貫の上下少し離れた所 10
貫と貫のまんなか位 11

2-3) 小舞竹にはどういう竹を使いますか?

かかってない
丸竹 2
割竹 25
篠竹 1

2-4) 丸竹小舞の場合、その寸法
  ・あるもの。10ミリくらいから30ミリくらいまで臨機応変につかう
・30ミリ
・15ミリから10ミリ
・30mm〜45mm程度

2-5) 割竹小舞の場合、その寸法
  ・20ミリ 2
・20〜25ミリ 5
・25ミリくらい 6
・25ミリ〜30ミリ 2
・20ミリ〜30ミリ 5
・30ミリくらい 3
・33ミリくらい 1

2-6) 竹小舞の縦横の空き寸法(穴の大きさ)はどれくらいですか?
  ・20ミリ×20ミリ 2
  ・20ミリ(縦)×30ミリ(横) 1
  ・20〜30ミリ×20〜30ミリ 2
・25ミリ(縦)×30ミリ(横) 2
・25ミリ×25ミリ 1
・30ミリ×30ミリくらい 1
・30ミリ(縦)×45ミリ(横) 1
・35ミリ×35ミリ 4
・35〜40ミリ×35〜40ミリ 1
・46ミリ×46ミリ以上 1
・30〜50ミリ×30〜50ミリ 1
・30〜40ミリ×30〜40ミリ 2
・40ミリ×40ミリ 2
・45ミリ×45ミリ 2
・50ミリ×50ミリ 1
・50ミリ〜60ミリ×50ミリ〜60ミリ 1
・60ミリ×60ミリ 1
・65ミリ〜70ミリ×65ミリ〜70ミリ 1
・90ミリ×90ミリ 1

《 追記 》
2-5)と2-6)を照合し小舞のピッチを割り出したところ、以下のようになった。(有効回答数25)
・45ミリ以下(告示仕様) 0
・45以上60未満 9
・60以上70未満 10
・70以上90未満 4
・90以上 2
* なお、このうち横長長方形の組み方をするのは2例

2-7) その空き寸法を決める根拠は何ですか?
・指の太さ
・柱、貫との相対性
・作業ができることと、土のコンディション
・エツリやさん次第
・作業性と小舞への土のめり込み
・編み安く、土も裏表良くつく
・施工できる範囲
・指2本が通る幅
・指2本入るくらいの隙間
・指が入る程度
・土が裏側へ出るのにちょうど良い大きさにする。
・小舞を掻きやすい、施工性
・竹の大きさと同等
・今までの慣習です
・人差し指が入る間隔
・編み良さ、塗り易さ
・しりません
・掻き易さ、土の密着
・小舞屋さんにおまかせ
・土の粘度(硬さ)
・裏と表の泥がひとつになるように
・大体。要は土が咬めば良。

2-8) 竹の入手先はどこですか?
竹屋さん 18
自家製 9

2-9) 竹の産地
国産品 23
輸入品 2
わからない 2

4.小舞

4-1) 小舞縄の種類 
藁縄 20
棕櫚縄 8
麻縄 5
ビニール縄 2
釘留め 2
パーム 1
いぐさ 1

4-2) 縄の巻き方
・螺旋状これは何巻き?
・縦、横共に千鳥掻きとする。
・きまりはないです。
・エツリやさん次第
・力竹と竪横の竹交点を十字に巻いていく。
・上下で解けても外れないように、くくりながらになるように。1回手前の縄の下に下に来るように。
・以前の写真の通り。縄を直角方向に回していく。貫板には、縄を巻きつけない。
・間渡し竹にそって巻いていく 
・螺旋状に巻く方法と、千鳥状に巻く方法の二種類。
・シングル巻が多い、工期と予算
・間渡し竹どうし交差する場所はたすきに縄を編みます。
・間渡しに交互に交差しながら
・まず最初に縦竹を間渡し竹(横)に1周まわし、貫部分は斜めにかける。縄を掛ける竹は、半間に3本程度。その他の縦竹は貫にのみ縄を掛ける。
横竹は柱から2本目両側を縦竹の上下を縄でまわす。中央も1本同じようにまわす。
・これといった決まりはありません。締めすぎもよろしくありませんが、間渡し竹と絡む竹だけをくるくるまくだけです。昔は、壁のあっちとこっちに村の独身の男女をペアで組ませ、編んでいたようです。もともとは素人(村人の応援)の仕業だったようです。

4-3) 小舞の横竹はどちら側か?
外壁側 4
室内側 19
特に決まっていない 4
貫の割れを気にしない方 1
仕上げ材による 1
工法による 1

4-4) 最初にどっちの側から塗るか?
外壁側(横小舞) 4
外壁側(縦小舞) 12
室内側(横小舞) 3
室内側(縦小舞) 2
横小舞から(内外関係なく) 1
特に決まっていない 2
左官屋次第 1
工法による 1
工程による 1
季節や、現場の状況で決める 1

・縦から先に塗る。縦は土が垂れてもいいので先に塗ってしっかり乾かすことが出来るから後から裏側を塗る作業がやりやすい。
・横小舞から塗る方が付きはよいのではないか。

5.土

5-1) 土の産地

熊谷市内
荒壁は 群馬県
地元(三重県) 2
愛知県 三河地方
埼玉県
地元(埼玉県)
滋賀県の信楽方面と聞いている
不明
福井県織田町
長崎県大村市
岡山県内産
多治見
三河土+舘山寺の土
鈴鹿
佐賀県
福岡県
岩国市
熊本県小川
地元埼玉
熊本県八代郡氷川町吉野地方の赤土
岐阜県関市
県内
岡山県(矢掛)
現場の近所

5-2) 土の入手方法
建材店(泥コン屋) 20  
自家製 5 
解体現場 2
田んぼ土 1
瓦屋 2
現場の土 2

5-3) 藁の入手方法、すきこみ具合、発酵までの時間のみきわめなどについて、教えてください。

・農家からもらってきたり
・藁は契約してる農家から。 繊維素の多い藁をいただいている。あしの長さは6cm〜8cm位。
発酵期間は、4週間以上で季節、天候により長さはかえる。見極めは鏝滑りで判断する。
・藁は、出来る限り、無農薬か減農薬の田んぼでもらう。
藁の量はかなり多いほうだと思います。
「土のつなぎが藁」というより、「藁のつなぎが土」って感じです。
少しでも時間が許す限り、藁を足して足して・・・
色が灰褐色になるのを目安にしてます
・壁屋さん次第
・泥コン屋に任せている。
・前もって農家にお願いしておく。
藁が土になじんで来ると発酵してつちの色が変わる
匂いがキツクなってくる。
・2トンの土に、2トンの藁ぐらい。
ぱっと見た感じはいっているのが解からないぐらいに寝かした後、さらに塗る何週か前に藁を入れる、塗るのに支障のない程度にならす。
・一般的には、インスタントで発酵は無い。以前20年以上前は1年位が当たり前。
夏場では1ヶ月くらいが良い。
見極めは、匂い。
・短くて3ヶ月くらい 土を寝かすほど左官さんは、施工しやすくなる。
表面が茶色でも土の中は、ねずみ色でくさいほどいい土壁になる。 
・藁は古畳を使っている。初めにすき込んでおき、出荷前に再度入れる。
・藁は農家からか、泥コン屋さんから、土の色が変わりスサが柔らかくなったとき。
・地元の農家
・泥コン屋から発酵済の泥が入るが、藁の量が少ない時は、自家製の藁を刻んで現場で混ぜながら使用する。
・藁自家製
・藁は何十年も頼んでいる瓦屋さんにお任せしています。その他必要な場合は、うちの大工さんちの藁を貰っています。すきこみ具合は、瓦屋さんの職人さんの決まり事でお願いしています。
・特に指定はしていない。今後の課題だと考えている。みきわめは、色・ねばり・におい。
・ドロコン屋任せ・・・現場によっては現場での寝かせがまったくないこともある。その場合に竹の間隔が広いと土がこぼれてしまうので竹の間隔が1寸程度になったらしい。
・泥コン屋さんから取るのでわからない。
・ほとんどを、廃棄処分の畳をばらし、はみ切りで適当な長さに切り、アゼを造り水をため、みんなではだしで踏むだけ。時間のない場合、晴れの日はブルーシートを掛けておくと、何かと良い。

5-4) 土は寝かせるか?
・泥コン屋から来るので寝かせない 15 
・寝かせている 10 
・現場による 2

5-5) 裏返しのタイミング おもてと裏がくっつく。土による。天候、場所・・
・土の乾き具合かな。
・2〜3日後。荒壁の裏掻き後裏返し塗りを施工しても、表面が歪まないうち塗る。おおむね、表側が乾いたころ ただし、季節によっては、2〜3日、少し水が引いたころを見計らって、乾ききらぬうちに塗ることもあります。
・一週間程度を目途にしている。
・片面の乾き具合で。
・初めに付けた片側の土が乾かない程度の時期土がだれない程度の乾き。
・普通に乾いた状態。
・最近は両面一緒に塗ります。乾きは遅くなりますが、そのほうが強いように思えます。
・ 片壁の乾き具合。
・荒壁土が乾燥後鉄砲返しで、あくる日に追っかけ塗りをします。外壁側からの粗塗りが終わったらすぐ裏返しを行います。
・すぐに。土の付着で一体となると思うので割れ具合を見ながら。
・すぐに追いかけて裏返す。
・3〜7日程度。一夜干し程度の乾燥翌日に追いかけて裏返し片面が8〜9割位乾燥した頃に塗り返します。夏場は少し早めに塗り返します。
・目で判断する。乾燥具合が十分かどうかを判断する。
・乾けばOK! でも半乾きでもいいと思う。裏を返せばどのみち最初に塗ったほうも、水分を持つ。

5-6) 中塗まで入れると、厚みはどれくらいですか? 現場の柱の寸法に応じて。細い柱に土はつけられない。太い柱を使えば軸力。
・50ミリくらい 1
・60ミリくらい 3
・70ミリくらい 3
・70ミリ〜80ミリ 6
・80ミリくらい 9
・80ミリ〜90ミリ 2
・90ミリくらい 1
・100ミリくらい 1
・200ミリくらい 1

5-7) 仕上塗
漆喰(既調合品) 17
漆喰(自家製) 10
色土 8
中塗仕上 14
珪藻土 2
半田 1
大直しで止めることあり 1

5-8) 外壁が下見板張りの場合、外側はどこまで施工しますか?
荒壁(裏返しなし) 0
荒壁(裏返しまで) 12
大返し(貫伏せまで) 7
中塗まで 12 わら土が少ない 漆喰
設計による 1

中塗りまですると強度はあがるけれど、コストがあがる。
昔の現場、解体、裏返しもないのもある。
耐力

6.温熱環境等の性能について

6-1) 土壁の場合、外壁はどうしていますか?
真壁(室内、屋外とも土壁) 12
腰板張り(断熱材あり) 2
腰板張り(断熱材なし) 9
板張り(断熱材あり) 4
板張り(断熱材なし) 14
ラスモルタル(断熱材あり) 4
ラスモルタル(断熱材なし) 7
漆喰塗(断熱材あり) 4
漆喰塗(断熱材なし) 14
サイディング 1
GL鋼板張り 2

6-2) 土壁のどんなところを一番評価していますか? 
仕上げ材としての魅力 14
断熱材として 5
蓄熱材として 13
耐震要素として 10
調湿材として 17
防火材として 10
遮音材として 3
環境を考えて 3
どこにでもあるものだから 1

6-3) 土壁の温熱性能(断熱、蓄熱、調湿等)について、どう思いますか?自由にご意見をお書き下さい。
・断熱性基本的には評価基準としない。蓄熱性はあるが、従来のままでは一番気温の低い季節では住宅の温熱性能としての評価は低いものと考える。その低さが快適性に対してマイナスと考えるかどうかはまた別の問題。
・蓄熱、調湿はあるが、断熱としては、厚板の方が上回っている。
・ウチは、藁をかなりの量いれるので、断熱性能は高いと思ってます。
・断熱としての性能はあまり期待していない。蓄熱というより、夏のひんやり感がいい。調湿は期待している。
・計った事はありませんが、住み手に聞いても思った程寒くないと聞く事、
また自分の感覚からもよいのではないかと思っています。
・断熱についてはそれほど期待していません。冬季の蓄熱性能には期待しています。また夏季には湿度を吸収することで、室内の温熱環境について効果があると思います。真夏の木陰で涼むような感覚。これが好きなので、建主さんにも薦めています。
・蔵や、大壁まで土をつけると、断熱性はとてもすばらしいと思うが、3寸ぐらいの土に断熱は期待できないので、外部に土壁とよく似た強度のフォレストボードで外部側柱間にはめ込みます。断熱、蓄熱、調湿、遮音、のほか、重量感、調臭、既製品にない表情、微生物や、酵素などもすんでいてくれる。他にもいろいろ化学的に照明出来ないが、感じるものなど深いことも多くあるような気がする。
・蓄熱材としては、壁面が暖かくなり、家全体の温度環境を整えてくれる。湿度も50〜60%に年間維持してくれる。(わが家で実証済み)
・断熱性能はかなりのものだと思います。ただし床や開口部の断熱は不可欠ですが。
・日当たりの良いところで軒が深く通風がいい そんな場所で土壁の良さがでるのではないか
・日本の風土に適した、調湿環境を保持できる素材であり、断熱・蓄熱性能に関しても、他の素材より抜きん出た物があると思われます。
・体感には室温だけでなく、むしろ輻射や湿度などの影響の方が大きい。蓄熱要素や調湿性能が加わることで、家は大変快適なものになると思う。また、特にエネルギーを使うことなく、働いてくれるところが素晴らしい。
・エコポイントにあおられ、今後さらに高断熱で気密の高い住宅が増えると思います、特に東海地方以西の4地域ではエネルギー基準をそのまま適用する、あるいはメーカーの主導で高性能のサッシを導入すると、夏期にはオーバーヒートしてしまう、冬季には日射取得が減って、縁側の日だまりを奪われると言う、笑うにも笑えない悲劇を引き起こす可能性があります、そんな時は土壁を使用すると熱容量の大きさがオーバーヒートを解消してくれるでしょう。最近三和土の土間を計画ことが多いが、土の蓄冷と蓄熱による冷輻射・温輻射の気持ちよさは格別です、土の調湿機能が湿度の環境を改善していることも一因だと思います。
・蔵造りの土壁(壁厚200mm)にすることにより断熱性能は高いと考えます。いちばんの利点は調湿作用にあると考えます。
・蓄熱や調湿の効果を考慮した温熱性能は素晴らしいと思っている(特に九州では)。それを考慮した評価基準が欲しい。
・断熱性能はや気密性能は建材に負けるが、調湿性能は非常に優れていると思う。梅雨時でもエアコンや除湿機に頼らなくても、快適に過ごせる。
・すきま風など無い様に適切に施工することで、快適かつ人が人らしく生活する理想的な温熱環境が出来ると考えています。
・断熱性は低いと思いますが、調湿効果が高いと思います。蓄熱性も一度温まると冷めにくい感じがします。
・なるべく蓄熱体として利用できるよう設計する。
・諸性能は十分である
・断熱、蓄熱、調湿。どれをとっても他に劣るものなし。日本のみならず熱帯気候の諸外国でも使われています。現代では、解明できないほど、高度な技術をもっていた日本人。昔の冬が暖かかったわけではなく、現在のような断熱材ごときは、作ろうと思えば造れたのではないかと思う。だが、土の性能を知っていて、変わる何かを造る必要がなかったのではないでしょうか?今でも、夏場の土壁の蔵などは、驚くほどひんやりです。

6-4) 土壁にしにくい理由
施工コストの高さ 19
工期の長さ 20
断熱性の低さ 4
隙間が生じること 3
重量が重いこと 1
意識のなさ 1
古いという先入観 1
現場が汚れる 1
施行できる左官が居なくなった 1
世の中の流れ 1
説明不足 1

7.その他
7-1) 平成15年12月から告示によって土壁が耐力壁として活用しやすい評価になりましたが、ご存じでしたか?また、その影響はありましたか?

・知っている 現場との整合性について意識はしていない。
・知っていたが特に影響はなし。
・知っている。影響はない。
・筋交いなしでも、結構いけるようになった。
・知っていたが、民家再生なので、影響はなかった。
・土壁の家にすじかいを併用する事が極めて少なくなった。
・土壁+筋違やパネル類で耐力壁を造っていますが、その量を減らす事ができました。また引き抜き金物類も無くすことが出来たり、小さくすることが出来るので(込栓なども多様する前提)木へ余計なものなどをつけずに施工が出来ています。
・知っている。耐力壁にカウントして設計するので細かい仕様の確認が必要になる。しかし、施工は、どうしても職人さんの技術がたより。お互い意見を出し合い確認しながらつくって行きたい。また、過剰に土壁の耐力に期待しない+αの工夫が必要だと思います。中塗りの施工がポイント。ということがわかった。
・壁倍率に入れることが出来て、今までよりはプラスになったことは多い。しかし、もっと高い評価が出来るのではないかと思うところや、施行のばらつきによる、数値の出し方の不安定さを、
考えていく必要性が深まってきましたね。
・土壁は、外壁には施工するようにしています。耐力壁としてです。でも土壁だけでは、足り得ません。面材で不足分を補っています。
・土壁だけで2階建ての設計が可能になったこと。
・検査員が土壁の事を知らない
・筋交いを入れない土壁のみの家ができるようになった。
・現場でのトラブルにはなっていないが、告示の仕様が実状に合わない部分が有る。竹の間隔、貫への釘打ち
・土壁がやりやすくなった。
・筋交いにて構造計算してある建物で、告知どうりに間渡し竹のホゾを穴あけして編まなければいけなくなり、壁を解体して修繕したことがあります。
・壁量計算で筋違を減らすことができました。木組みがしっかりと組んであったら筋違は必要ないと感じます。
・壁量計算がやりやすくなった。しかし、層間変形角1/120での評価でなく、1/60で評価してほしい。
・筋交いの量を減らすことが出来るようになった。それに伴って金物も減った。出来ればもっと金物を減らしたい。
・知っています。補強の為の合板の枚数が減りましたが、まだ、評価が低いと考えています。
・熊本県立大で研究されてたので知っていました。現在も活用しています。
・影響は大きいと思います。土壁とする場合は、外周は土壁で1.5倍でとり、不足分を内部で面材や筋かいでとっています。内部はなるべくコアになるように心がけています。
・イエス。間取りの自由度が増したとおもう。
・耐力壁としての評価が低すぎる。貫に土壁だと、筋交いとは違い、開口以外は、中窓があろうが、地窓があろうが、たれ壁に至っても言ってみれば耐力壁である。実際、片引きの引き込み壁も場合によっては、壁厚7センチとれます。倍率をもう少し上げないと、設計しづらいです。そこは問題です。

7-2) あなたの仕事のうち、土壁はどれくらいの割合ですか?

ほとんどしない 0
半分以下 6
半分くらい 4
半分以上 5
ほとんど土壁 8
必ず土壁 1
その他 3

7-3) 自由意見 土壁について、何でも結構です。

・改修工事のときには既存の土をなるべくとっておき混ぜて使います。新築のときは新しい土を買って使ってます。若い頃農家の住まいを作っていたころはその農家の田んぼの土を使ったりしていたと思います。今は、土壁を使った仕事が少ないので建材店でもストックが無く、仕事にかかる前に土を用意しなくてはなりません。
・土の粘性により配合が変わるので構造壁としての粘土を使いたい。たとえば、田んぼの底土などは、粘性として疑問がある。
・出来る限り、現場の近くの土でつくることが目標です。
・関西は土の質がいいと思う。民家再生が主なので、新しい土と古い土と半分づつ混ぜています。
・結構職人まかせだったのですが、もっと勉強せねば。
・私が購入している泥コンやどうやら硬いらしい。最近は泥コン屋も寝かせて納品してくれるので、ひび割れも少ないような気がします。
・土の性質は地域によって違う。現場(関東)の土を四国のポリテクセンターで試験したが、瀬戸内海域の花崗岩質(まさ土)と関東の粘土質(荒木田)ではハッキリ強度に差があると実感しました。みなさんも試験をする事をオススメします。また、小舞の掻き方も地域によって違うので一律にこうです。というのは間違いの元です。構造組や竹の種類、藁のまき方など、教科書にかいてある事が全てではないので、左官屋さんや、昔えつりをやっていた方々によく聞く事が大切です。
・繊維だらけで、壁が大きく変形しても、つぶれるが、崩れない壁が理想かな。
奈良の中村さんから聞いたけど、土は寒い時期にゆっくり乾かすといいと聞きましたが、この冬塗った壁はとにかく乾くのに時間がかかったが、大割れがなかった。ゆっくり乾かすが、かびない時期がいいのかなと感じました。
・砂の量が多いと割れにくいが、弱いように感じる。寝かせる期間は、匂いや鍬で返してやり、色が変色していると発酵が進んでいる。寝かし過ぎ(1年とか)がいいのか分かりません。
・手で土をつかんで開いて、かたちが残っている土は壁土に使えると左官さんから聞いた事があります。
・岡山県内でも、男土で経年変化によって黒ずむ土とか、試行錯誤で石灰分を含む土などあります。本来地産地消の上に成り立っている、日本家屋ですので、近くで取れる良質な土が、その地方に適している素材だと思われます。
・私たちのまわりに無限に存在する土はいちばん人になじむように思います。粗塗り、中塗りと調合の違いにより表情が違いますが、その時々に素晴らしい表情がうまれます。仕上げ塗りの漆喰壁に市売品の色漆喰で仕上げたことがありますが、なにか不自然な表情に感じました。土と漆喰を混ぜて仕上げた壁は目になじむ表情に仕上がったように感じました。あくまでも私の主観です。
・泥コン屋が次々と廃業し、今後が不安。無害の自然素材である土をもっと積極的に利用してほしい。
・積極的に採用する事が、大切。
・私の地方の土は粒度の問題で余り強度が出ないことが分かっているので、なんらか粒度調整出来れば、関西地方の土に近づいた強度が出るのではと考えます。
ただ、中塗り土は砂を混ぜて強度が上がる為、それに頼っている感じです。
・奈良は郊外ではいまでも割と土壁の家が建てられますが、竹屋さんにせよ土屋(左官や)にせよわりと自分のやり方にこだわって(執着)いるように思われ、学術的なデータはなかなか信用してもらいにくい雰囲気があるようです。
・矢掛の泥は「はねない」(荒壁と中塗が離れない、裏と表が別れない)。ネバすぎないからだと思う。
・土は建材ではありません。我々と同じ生き物です。乾いたからって死んでるわけではなく、常に呼吸し共存するものと考えるべき。瓦や陶器などとは違い、土壁の土に至っては、どこぞの名土ではなくその土地にある土をその土地に建てた家に使うのがベストだし、私が土なら一番うれしい事。

7-4) あなたのご職業 左官屋さんからの聞き取りの場合は、聞き取った方の職業を教えて下さい。
左官 4 
大工 11
建築士 17
現場監督 3
その他 2


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