7-3) 土壁全般に関する自由意見


【土壁は日本の文化のひとつ。もっと普及していってほしい】
・伝統、環境、いろんな面でもっと普及すればよいのに、と思っています。多くの家に土壁が使われるような日本になってきたとき、国民性もかなりよくなってきたと、感じることが出来るような、文化だと思いますね。
・土は伝統文化の継承、資源循環という点でも、土に還りゴミを出さないという点でも、木の文化と共に重要で馴染みの深い素材だと思います。
・これからも、土壁の家を受け継いでいくそして伝えていく大切さを以って努力して続けて行きたいと思います。

【工期と予算でなかなか土壁が採用できない】
・今、計画中の住まいで土壁の話が出てはいるんですが、工期と予算で消えそうなところです。
・できれば土壁で設計したいが、コストと工期を理解してくれる施主と出会うことが
・土壁の良さを伝えて、どんどん使ってほしいが、コスト面と工期の関係で断念する施主が多い。

【施工数を増やすことが大事】
・様々な問題を解決するには、とにかく土壁を採用する事だと考えています。適切に評価し、日常的に施工する事が何より大切です。
・土壁にできるケースがとても少ない。しかし、毎回トライしたいくらい魅力ある素材だと思うし、関西ではある程度施工数があるようですが、関東での土壁の施工実績をふやし、後の世代に土壁文化と技術はなんとか残したい。

【家づくりは時間をかけること】
・しかし離れや、仮住まいのある田舎(私たちの地域)では今でもほとんどのお客さんが土壁を使用しています。やはり家作りは時間をかけないと良いものは出来ないと思います。

【結いでの土壁つけ。ワークショップ、セルフビルドの可能性】
・近年住宅は建てるものでなく買うものと言う消費行動が羽振りを利かせ、顔の見えない家づくりが当然のごとく行われています、これが瑕疵担保履行法を成立させた一因であることは明らかです。土壁は、誰もが楽しく協働で作業できる工程があり、職人と一緒になって汗を流すことが出来、顔の見える家づくりにとって必要不可欠です。捏ねる””擦る””磨く””押さえる”などの作業を通じて壁が多様な表情を見せることも魅力です。
・土壁ワークショップなどは伝えゆくための一つの方法であると思う。
・えつり、荒壁は、自社施工を基本でやってます。
・土壁は手間のいる仕事です。しかし、手間がいる仕事だからこそ素人でも参加することが可能です。現代はサイディングやモルタル塗りが主流ですが、ある程度の職人だけで仕上げます。土壁は高度の技術が必要ですが、竹小舞を組んだり土を運んだり、蔵づくりの土壁の場合土を竹小舞に打ちつけたりと、素人の入り込むよちがあります。数十年前まで存在した、結いの制度は素晴らしいものだと感じます。

【左官や周辺業者の廃業が心配】
・土壁の家が減ることで泥コン業者が値上げをしたり、廃業をしたりしている現状が心配です。今まである産業(小さいながらも)ですので、きちんと目を向け、評価をしていかなければいけないと考えています。こういうことこそ行政の頑張りに期待したいです。
・廻りをみると左官屋さんの高齢化と土壁をやる人が少なくなっている。

【法律、行政への意見】
・土壁仕上げの家には、強制換気設備は不要とか、瑕疵保証の免責分を減額とか、特権が必要。ハウスメーカーや建材屋に振り回される現状を打開したい
・土壁の温熱性能と構造性能を評価しないと「長期優良住宅」という波の中では消えていく
・地域ごとの仕様を活かしつつ、強度を確保する為に必要な基準ができるとよい。たとえば、凍結防止剤や竹の防虫処理の是非についてなど。

【総合意見】 
昔は、土でなんでも造れた。家の壁がなくなり、土間がなくなり、かまどが、焚物風呂が、瓦までもがなくなりそうな時代。怖いのは、造れる職人が、技術を継承させないままいなくなる事。私どもも土壁の住宅をやれば、年に一棟。一年がかりだ。手間ばかりがかかる家なので、ハウスメーカーには無理。かといって、個人の大工さんだと、瑕疵担保履行法や建設業法など、障害だらけ。一概に、土壁だけの問題ではなく、国や法律なども含めた大きな問題だと思います。自由意見ですが、終わらないのでやめます。


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