伝統的な構法での建築がしにくくなっている現状を打開するために平成22-24年度の3カ年の国の補助事業としての活動を昨年3月に終えた「伝統的構法の設計法作成及び性能検証実験 検討委員会」。木の家ネットの代表である大江忍が補助事業の責任者となったほか、発足&運営にあたっては、木の家ネットを含む「これ木連」の多くの実務者が関わり、実大震動台実験、要素実験などに協力をしてきた委員会です。
その成果が、すぐれた変形性能をもつ伝統的構法のための、新しい設計法として実を結びました。この設計法では、伝統的構法の大きな特徴でありながら、現状では構造適合性判定を経なければ建築できない、柱脚を基礎に固定しない足元完全フリーの「石場建て」をも、適判を経ることなく建築できる「標準設計法」に位置づけています。検討委員会事業が終了して一年以上経過してようやく、7/12に立命館大学びわこ・くさつキャンパス ローム記念館にて、報告会が開催されることとなりました。
あと、残されるのは、この設計法が法的に位置づけられるという行政上の最後のワンステップ。在来工法とは性質の違う伝統的構法が、建築基準法に的確に位置づけられること。それによって、日本に古来から伝えられて来た伝統的な職人技術による木造建築の知恵が、未来につながっていくこと。それが、伝統建築に携わる多くの実務者が長らく望んで来たことです。
この願いを現実のものとしていくために「石場建てがあたりまえにできるようになっていくこと」に期待を寄せる方はぜひ、報告会に行きましょう!なお、下記の出欠フォームで参加申込みをしていただけますが、当日の出席できない方からも、石場建ての施工実態や意識について数項目のアンケートの回答を募っていますので、ぜひご協力を!
タイトル
伝統的構法の設計法作成及び性能検証実験 検討委員会
第四回 フォーラム in 滋賀
「石場建てを含む伝統的構法木造建物の設計法」報告会
日時
平成26年7月12日(土)
13時〜17時(受付開始・開場:12時)
会場
立命館大学 びわこ・くさつキャンパス
ローム記念館 4階 大会議室
滋賀県草津市野路東1丁目1-1
JR南草津駅より近江鉄道バスで15分
資料代
2000円
申込
5/31の時点で申込多数のため、締め切られました。
問い合わせ
特定非営利活動法人 緑の列島ネットワーク
Tel:052-566-0064
mail:dentoh@green-arch.or.jp
プログラム
開会挨拶 | 鈴木祥之 | 検討委員会委員長・立命館大学衣笠総合研究機構 |
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来賓挨拶 | 馬淵澄夫 林田康孝 |
衆議院議員 国土交通省住宅局住宅生産課 木造住宅振興室 室長 |
1 検討委員会の取り組み | 鈴木祥之 | 検討委員会委員長・立命館大学衣笠総合研究機構 |
2 設計法案の概要 | 斎藤幸雄 | 設計部会主査・斎藤建築構造研究室 |
3 設計法の課題 | 向坊恭介 | 設計部会・立命館大学理工学部 |
4 設計法案の内容 | 長瀬 正 寺門宏之 |
設計部会・日本建築総合試験所 (詳細設計法) 設計部会・京都市都市計画局建築指導部 (標準設計法) |
5 今後の取り組み | 大江 忍 | 事業代表者・NPO緑の列島ネットワーク |
質疑応答 | 司会:和田洋子 | 一級建築士事務所 (有)バジャン |
閉会挨拶 | 大江 忍 |
※フォーラム終了後、交流会あり(参加費3500円 先着60名)
主催・後援
主催:
特定非営利活動法人緑の列島ネットワーク
伝統的構法の設計法作成及び性能検証実験 検討委員会
後援:
立命館大学歴史都市防災研究所
これからの木造住宅を考える連絡会
職人がつくる木の家ネット
ちらしダウンロード
http://www.green-arch.or.jp/dentoh/pdf/140712_houkokukai.pdf
アンケート項目
出欠申込みフォームで、次の項目のアンケートも行っています。報告会には出席できない方も、ぜひ回答を!
1)石場建てについてあなたが思うことを自由に書いてください。
2)石場建ての設計法が法制化されるにあたり、柱脚の自由度をどこまで望みますか?
3)石場建て(新築二階建て)の施工実績を教えてください
4)適判不要で、足元完全フリーの石場建てが設計可能となれば建てますか?その理由は?
5)古民家改修などで石場建ての建物を直すことになった時は、どう対処していますか?
6)伝統的構法の建築基準法での位置づけについてどう考えますか?
7)平成22-24年度 検討委員会へのご意見をお聞かせください。
8)国(建築行政)へのご意見をお聞かせください。